March 16, 2005

オフショア環境の変化

先日送付されてきた海外銀行のステートメントに同封されていた、EU加盟国関連の税制の変更について。

以前からBankAbroadさんのサイトTAX-NEWS.COMなどで情報を得ていたのだが、EU加盟国において、銀行預金の課税に関する指令がとうとう今年の7月1日から発効されることになる。しかし、開始日の7月1日については、最終決定されていないので、延期される可能性は残っている。
これにより、EU加盟国の間では、銀行口座の利子等の収益について、各国間で情報交換がなされることになる。つまり、EU内では、他の国に持っている口座の収益についても、現地の当局から居住国の当局に情報が提供され、居住国の当局が把握できるようになる。

ただし、EU加盟国の中でも、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルグは、口座情報を開示する代わりに、銀行口座から源泉徴収課税をすることを選択している。EU加盟国ではないが、オフショア地域のジャージー島、ガーンジー島、マン島、及びスイスも、この源泉徴収課税方式に合意している。

EU居住者がこれらの地域に銀行口座を持っている場合、銀行口座の利子等から税金が源泉徴収されることになる。これは預金だけでなく、債券やファンドの配当なども対象になるようだ。源泉徴収された税金は、その75%が居住国へ受け渡される。
詳しいことはよくわからないが、少なくともジャージー島、ガーンジー島、マン島のUKオフショアにあるEU居住者の口座については、7月1日から源泉徴収が行われるようである。税率は、当初2005年の7月1日からは15%で、2008年の7月1日からは20%、2011年の7月1日からは35%になるようだ。この35%もの高い税率は現行のスイス国内の預金の税率と同じである。

なお、源泉徴収課税の代わりとなるオプションとして、口座情報を開示することを選択すれば、源泉徴収は免除される。しかし、口座保持者の居住国の当局にオフショア口座の情報が全て開示されてしまうため、悩ましいところだ。
おそらく、オフショア口座の情報を守る代わりに、源泉徴収課税を受け入れる人がほとんどかと思う。居住国の方が税率が低い場合、税金を多く払うことになるが、還付を受けるには申告しなければならないので、秘匿性を重視する人はそのままにするだろう。

日本などのEU外の居住者は今のところ関係ないようである。しかし、日本を含むOECD加盟国の居住者は、いずれEUと同じようになることも考えられる。

だんだんとオフショアのメリットが無くなってきて、使いづらい環境になってきた。
というか、税金が15%も源泉徴収されるようじゃ、もはやオフショアとは呼べないよね。
メリットといえば、口座情報などの個人情報の保護だけが取り柄であり、このような情報秘匿性に関してはスイスに勝る所は無い。
しかし、BankAbroadさんの掲示板情報によると、最近スイスでは非居住者の郵送での口座開設を止める方針になりつつあるらしいので、どんどん海外口座への道は狭まっている。

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