April 5, 2005

モビアスの本

以前のエントリーに書いたマーク モビアスの本「国際投資へのパスポート-モビアスの84のルール」を読んでみた。

この本には、東欧(エストニア、ロシア)、アジア(香港、タイ)、南米(ブラジル)、アフリカ(ナイジェリア、南アフリカ)などの地域に、1990年代後半にモビアスが訪問したときの様子や現地の情勢、これに絡めた自身の経験や投資のルールについて書いてある。
原題の「Passport to profits」の方が適切であり、邦題は意訳しすぎだと思う。

自分には、バフェットよりもモビアスの考え方に共感できる点が多かった。
モビアスはエマージングマーケットを投資対象にするファンドマネージャーであるので、基本的に、外国人投資家で少数株主の立場に立っていることがわれわれと同じスタンスになっており、考え方を共有できる。
ファンドの資金はある程度の大口ではあるけれど、外国人投資家という立場でみると、特に新興市場では弱い立場にある。このことから、モビアスは自分から主導的に投資先の企業をコントロールできるとは思っていない。新興市場では政治的要因も大きく作用するので、現地の権力者や経営者の側にいないと、力が及ばないことが多い。

モビアスは徹底して現場主義である。世界中のあらゆる国や地域で、興味があるところがあると、テンプルトンの自家用機を飛ばして現地の企業を訪問する。現地の空気や経営陣の対応などは、投資判断の際にある意味で重要な要素の一つとなっているようだ。
このあたりは真似はできないが、こういう姿勢は見習うべきかも知れない。

とにかく、投資をする人、特に外国に投資をする人は、読んでおいて損は無い。
値段はちょっと高めだが、個人的にかなりおすすめ本である。

モビアスの投資手法は、ファンダメンタルに基づくものであり、バリュー投資の範疇に入るものだと思う。
基本的には逆張り戦略で、自分で目を付けた優良な企業や将来性のある企業が外的要因などによって悲観的な状態のときに、安値で株に投資する。このとき、5年ぐらいの長めの期間を想定して投資する。
この本に書いてある基本的な投資の考えは、参考になることが多い。
また、積極的にリスクを取りに行って収益を上げるやり方は、自分には共感できる。

さらに、モビアスは銀行株の投資に肯定的な点も、今の自分には合っている。銀行株は、景気循環において先行指標となることが多く、炭鉱の中のカナリアのように利用するのだそうだ。
自分ではそこまで考えていなかったが、現在の経済状況や新興市場においては、金融関係で割安な感じの株に投資しておけば、経済全体が上向きになると収益が上がるのではないかと単純に思っていた。これに近いことが本には書いてある。

あと、国際投資で重要なこととして、
  「最大の防御は分散投資である」
  「FELT (公正[fair]、効率的[efficient]、流動性[liquid]、透明性[transparent])に気をくばる」
  「常に退路を確保しておく」
  「上がったものは下がる、下がったものは上がる」
などの言葉はいつも心に留めておきたい。

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comments

バフェットが参考にならない例として、良い説明ですね

  • wanwan
  • April 05, 2005 21:52

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褒め言葉ありがたく頂戴いたします。
最近、モビアス派になってしまいました。

  • Gabbiano
  • April 06, 2005 00:09

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