August 9, 2006
英国銀行の不良債権
先週、Lloyds TSBの中間決算の開示があった。
収益は増益だったにもかかわらず、不良債権が増加していることによって、株価が下落した。
そして、ECBとBoEがそろって政策金利を上げて、 ユーロとポンドの短期金利が上昇し、これによってさらに欧州の銀行株が軒並み下落した。
今週は少し落ち着いたが、自分のイメージより逆方向に大きく株価が動いたので、ちょっとここに書き留めておこうかと思う。
不良債権の話題に関しては、バークレイズ銀行のことで去年の5月のエントリーに書いていた。
Lloyds TSBなどは、ロンドン市場で比較的出来高が多く、メジャーな銘柄だ。自分のようなシロウトの取引は少なく、プロの売買がかなりの割合を占めるように思われる。実際はどうなのかよくわからないけど。
だから、株価の動きはセオリー的な動きに近いのだと思う。
まず、不良債権についてであるが、少なくとも1年以上前から話題になっていたことなので、これぐらいはとっくの昔に織り込み済みだと思っていた。
しかし、株式市場は敏感に反応したので、みんなもっと少なく見積もっていたのだろうか。
自分的には想定の範囲だと思った。
次に、金利上昇に対する反応だけど、金利上昇→株価下落というのは、脊髄反射的な反応ならこうなるだろう。しかも、英ポンドの利上げはサプライズだったので、反応が大きかったのかもしれない。
だけど、1年前に0.25%だけ利下げして据え置いたあと、このタイミングで上げたというのは、そんなに悪くない傾向だと思うのだけど、プロの意見は逆なのだろうか?
最近は長期金利が低下してきていて、イールドカーブが寝てきているから、短期金利の上昇は銀行が得る利益の源泉である金利スプレッドの縮小ということになって、一般論では株価にはマイナスなのかな。
でも、今回の利上げは、インフレ懸念の抑制ということだから、インフレ方向に振れて金利スプレッドが拡大する可能性もあるのではないだろうか?
しかし、金利上昇で不良債権がさらに増加していくおそれもあるので、ノーテンキに楽観はできないかな。
などと、無い知恵を絞ってちょっと考えてみたりしたが、結論としては「今はよくわからない」というつまらないものにしかならなかった。(^^;
ここで慌てて売る必要もないと思うので、このまましばらくホールド決定。
ちなみに、ポンド建てやユーロ建ての資産は円ベースでみると増加している。利確しないので絵に描いた餅だけど。
なんか最近は自分のリズムとずれてきているものが多いかも。
51Jobなんて中間決算発表後に昨日-20%以上も下落したりして。業績が市場の期待値より下回ったからみたいだけど、そんなに投げ売りされるほど悪くないと思った。で、少し買い増ししようとしたら、欲張った指値までは下落しなくて約定せず。ここはもし買えたらラッキーぐらいの気持ちで、あまり大きく深入りしないようにはしようっと。
- by Gabbiano
- at August 09, 2006 17:51
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comments
不良債権の増加は、住宅ローンの焦げ付きからでしょ
うか。家計部門の負債はイギリスでも増加しているの
でしょうね。ただ、現在のLYG(すみません。ロンドン市場にはアクセスできないので(^_^;))の下げは絶好の買い場
を提供してくれているような気がします。NVRとどちらを
買うか迷っています。
イギリスは大変ですね。実は10月に行くつもりだったの
ですが、断念しました・・・。当分いけそうにありま
せん。
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stellaさん、こんにちは。
Lloyds TSBのInterim Results(中間決算)の説明を見ると、不良債権はUnsecured consumer lending(個人への無担保貸し出し)で増加しているようです。
日本で言えば、キャッシングなどで借りすぎたり、クレジットカードで買い物しすぎて破産するような形でしょうか? 最近は貸し出し基準が強化されて、無担保ローンの貸出額自体は減ってきているようです。
モーゲージローンは、日本のバブル崩壊時のように不動産価格が急落したりしない限りは、不良債権にはなりにくいように思います。でも、その危険は無いとは言えませんけど。
ロンドン市場の株価では、500ペンスを切りそうな勢いです。安くなったかもしれませんが、短期勝負でなければ、もう少し落ち着いてからの方がいいかもしれません。
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少し補足しますと、
06年上半期(6月末)でのバランスシート上の貸付額(Loans and advances to customers)は、182,157mポンドで、前年同期は167,583mポンド。
これに対し、不良債権(貸付の減損額:Impairment losses on loans and advances)は、前年同期比で20%増加して800mポンド。そのうち、UKリテールバンキング部門が632mポンド、ホールセール及び国際バンキング部門が159mポンドというデータが開示されています。潜在的な不良債権がどのぐらいあるかどうかなどについては不明です。
貸付額が約10%(14,574m)増加して、減損額が20%(133m)増加なので、そんなに大きな額ではないようです。また、減損額の割合も貸付額の1%以下なので、バランスシートや収益に大きく影響する要素にはならないように思います。
上記の解釈に間違っているところがあれば、どなたかツッコミお願いします。
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Gabbianoさん。
いつも、丁寧な分析・・感謝します。
まずは雑談なのですが、無担保貸し出しが、Unsecured! lending(安全じゃない貸し出し)と訳されるのですか。
いつも思うのですが、英語は直訳すれば、直接的とい
うか露骨というか(例えばTAKE OVER!乗っ取りBID)・・・国民性の違いを感じます(私の貧弱な語彙
なので、大きな勘違いなのかもしれません)。
さて、リテール部門での不良債権の増加寄与度はUnsecuredなものが大きいのですね。住宅ローンが払え
ない人の増加をイメージしておりました。
比率は小さいにしろ、無担保の不良債権額は人口の割には大きいなあという気がしました。やはり、イギリスは
バブルのような気がします。
ただ、
>バランスシートや収益に大きく影響する要素にはなら
>ないように思います。
というお言葉には安心しました。早く、利回りが8%以上
になればいいのに・・・と書くと石を投げられそうですね(^^;)。
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stellaさん、コメントありがとうございます。
私はそんなに英語力が無いのですが、"secure" は動詞で使う場合に、安全にするとか、保障するという意味が一般的かもしれませんが、加えて、担保をつけるとか、保険をつけるという意味があります。
金融関係の英語は、一部に独特な言い回しがありますので、これは慣れるしかなさそうです。
不良債権については、悲観的な目でみると、このまま放置して現在のペースで増え続ければ、数年でちょっとやばい状況になると思います。収益が食いつぶされていき、そのうち赤字転落します。
でも、銀行側も対策を講じているようなので、今のところ問題無しとの判断です。
私の個人的な考えでは、無担保ローンに関して、毎年不良債権が出ても、貸し倒れ率が想定の範囲内であれば、適度な利率で貸し出していれば収益は十分にあがるので問題ないと思っています。消費者金融と似たような考えですね。
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