November 7, 2006
ARAIの再生は可能か?
不動産流動化関連の企業では、リゾート再生を手がけているところも多い。
少し前まで投資していたダヴィンチも斑尾高原の再生に乗り出したりしている。
日本のスキー場の場合、バブル景気や当時のスキーブーム、その後のボードブームなどに乗っていただけのところが多く、およそリゾートやホスピタリティとは無縁だった場所が多くて、ここ数年の経済環境では破綻するのは必然に近かったところが結構あったのではないだろうか。
現状では、スキー場はゴルフ場や温泉街のホテルなどに比べて、環境的にかなり厳しいと思う。
前から書こうと思っていたARAI MOUNTAIN & SPAの経営破綻についてひとこと。
自分はスキーには思い入れが強くて、歩ける限りは一生続けようと思っているスポーツだ。
スキーとは無縁の地域で育ったので、始めたのはかなり遅かったし、いまだにヘタだけど、イタリアのスキー場で開眼してハマッて以来、毎年この時期はソワソワしてくる自分がいる。
スキーの予定を考えたり、スキーやワックスのことが気になったりする時期。ザウスがあったときは一年中滑っていたぐらい。
10月初めにそろそろ今シーズンの予定を考え始めようかと思っていて、ネット上をウロウロしていたら、ARAIが経営破綻して今年の7月10日に営業停止したことを知った。
最終的にトドメをさしたのは、先シーズン(今年初め)の豪雪によってJR信越線などの交通機関の運休が続き、来場者数が前年同期比20%減となって売上げに直撃したこと。
雪不足ならまだしも、スキー場が豪雪によって来場者不足で破綻するというのは皮肉としか言いようがない。豪雪地帯の新井ならではの予想外のリスクだったのかな。
自分が行く気だったら、喜んで行ってたと思うけど。だって、雪が多くて人が少ないなんて、天国のような状況だ。従業員が通勤できるんだったら、電車止まっていてもなんとかして車で行くでしょう。普通。
ARAIは日本では一番に挙げるぐらい好きだったスキー場。
欧州のリゾートを目指しただけあって、今までの日本のスキー場とは少し雰囲気が違ったし、アバランチコントロールをしてコース外でもエリア内の無圧雪ゾーンを開放するなど、中上級者のニーズにうまく応えていた。
無圧雪ゾーンの開放は、パウダー好きのボーダーやスキーヤにはたまらないもので、聖地のように思っていた人もいたと思う。
自分は体力&技術不足が進行しつつあるので、今は圧雪バーンかっ飛び派だけど。
ARAIには、ある年を境にここ3,4シーズンぐらいは全く行っていない。それ以前はまずARAIに行く日程を考えていたほど、贔屓にしていた。
ベースのビレッジエリアに3つ目のホテルができ、SPAができてとりあえずビレッジエリアの完成と言われてから、なんか少し空気が変わり、なんとなく、雪山を愛する人よりも小金を持っている人を優遇するような雰囲気が感じられたから。
なんかあまり行きたいと思えなくなってきた。
北海道ツアーの方が、費用対満足度でみてポイントが高いと思われたので、以降はキロロをメインにスケジュールを組むようになった。(でも昨シーズンなどは北海道に行けなかったけどね)
ARAIは妙高高原の北に位置する所で、アクセスは不便な方だ。東京、大阪、名古屋などの大都市圏からの来客を期待するには少しハンデがある。
ARAIを開発した当初は、年間100万人ぐらいの集客を目指したらしい。まあ、これはバブル時代の幻想が入っていると思えるけど、少なくても50万人ぐらいは狙えるポテンシャルは持っていると思う。
コースは中上級者向けが中心になるので、そこで人数を確保するための戦略は必要になるけど。
ちなみに、昨シーズン05年12月~06年3月の利用者数は、前年同期比20%減の約8万460人らしい。これなら破綻しても不思議はない数字だろう。
その前年は10万人ちょっとだから、よく経営が続いたなあと思う。スキー場部分だけ考えて、日帰りでリフト券と昼食代を含めた客単価が5000-6000円とすると、冬季1シーズンの売上げが6億円程度。ホテルなどはどちらか言うと高めだったけど、キャパはそんなに大きくないし、ここで大きく利益を稼げるとは思えない。夏季はホテルとスパのみ。この業界のことを詳しく知らないけど、こんなんでやっていけるのでしょうか?
ホテルの造りは本格志向。似非リゾートによくある張りボテなんかじゃない。一番高級なザ・クラブなどは無垢の木と石をふんだんに使っていて、欧州の良さげなリゾートホテルにはありそうな雰囲気。
行っていた頃は、ちょっと高いけどリーズナブルで、雰囲気がよくて、いるだけで気持ちよくて、また何度も行きたいと思わせるところだった。
でも、だんだん値段が上がってきて、予約時の対応なども悪くなってきて、リーズナブルに思えなくなった。
その頃にARAIから離れた人は、自分たち以外にもいそうな気がする。リピーターをつなぎ止める魅力が薄くなってきたように感じられた。
一番の問題は、スノーリゾートの伝統がまだ根付いていないことかな。
あとは、高級志向にちょっと勘違いな点があったのかも。
立地条件が不利な点を克服するための戦略があまり無かったようにも思える。
山の資質を生かしきれなかったのは残念。
雪の幼稚園などのキッズ向けプログラムも充実していて、評判もよかったので、子供を連れて行ってもいいかなと思っていたのに、行けなくなってしまった。
結局、最後まで知名度があまり高くなかったのが低い集客力を物語っているのかも。
単に高級なものを求めるなら、洞爺ウインザーホテルとかに行った方がいいかもしれない。
ARAIが目指すべきものはそんなんじゃなくて、本物のリゾートだったと思う。高ければいいというわけではなくて、質の高い休日を過ごせる場所。これはお金だけの問題では解決しない。
あとは、エリアの周囲もうまく巻き込んで山や街にもっと人を集めるようにしないと、長く続けるのは難しそう。
質のよいリゾート客をなるべく多く囲い込んで、何年もずっと繰り返し来てもらえるような何かが必要。
なんかあまり取りとめが無い文章になってしまったけど、ARAIの斜面や施設はとても良質な資産だと思うので、どこかがうまく再生してくれることを祈っている。
- by Gabbiano
- at November 07, 2006 00:13
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comments
水瀬です。ARAIが経営破たん!?
知りませんでした…。
約10年前、新潟で働いていたので、ARAIはたまに行ってました。
昔は、ARAI MOUNTAIN & SNOW RESORTって名前じゃありませんでしたっけ?
新潟市からも遠い~というイメージでしたから、首都圏からだと、ちょっと遠すぎるかもしれませんねー。
いいゲレンデだったのに、ちょっと残念です。
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水瀬さん、こんにちは。
私もARAIの破綻は10月中頃に知りました。
> 昔は、ARAI MOUNTAIN & SNOW RESORTって名前じゃありませんでしたっけ?
たしかそういう名前だったと思います。
初めはウエストウッズ三本木がずっと定宿でした。
その後あそこは従業員の寮になったんですよね。
あそこの駐車場は、2泊ぐらいすると車が雪だるまになって掘り出すのに苦労しました。(笑) いい思い出です。
ホテルのイタリアンレストランも好みでした。
ザ・クラブに1回泊まってみたら、とても良くって気に入りました。
当時はクラブに泊まるとリフト券が無料でついていました。クラブ専用のチケットで、リフトに優先乗車できるという噂もありました。
スタッフの応対やサービスも格別でしたよ。
確かに、東京からだと結構時間がかかりますね。練馬から上信越道の中郷ICまで片道6000円ぐらいかかりましたから、飛ばせる区間は飛ばして5時間ぐらいは十分にかかっていたと思います。私の場合、ドライブもスキーのうちなので、苦になりませんけど。
私は、少し楽観的に見ていて、どこかが買い取って再生し、このまま完全に無くなることはないのではと思っています。
でも、あの施設を使いこなして採算ベースに乗せるのは結構大変かも。
星野リゾートあたりが絡んでくれると良いのですけどね。
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