December 13, 2006

近頃思うこと

前回のエントリーのまたまた続きで、
近頃自分が投資について感じていることをつらつらと書いてみる。


(1) いつの時代も少数派が勝つ

過去の歴史を振り返っても、投資では、基本的に少数派が利益を得るようになっている。

例えば、バリュー投資やインデックス投資が有効である大きな理由の一つに、「少数派だから」という要素があるのではないかと思っている。

バリュー投資が多数派になると、裁定の機会がほとんど無くなり、大きな利益が得られなくなってしまうと思う。
インデックス投資が多数派になったときのことは想像しづらいが、ある臨界点を超えると、インデックスが現在のような指標としてうまく機能しなくなるのではないかと勝手に推測している。
なかなかあり得ないと思うけど、もし仮に、ほとんど売買しない安定株主とインデックスのパッシブ運用が大多数になったら、一番利益を得るのは、おそらくこの状況を利用した少数派のアクティブ運用(広い意味での自発的売買を行う投資家)なのではないだろうか。あるいは、インデックスをコントロールしてしまう先物投資家かも。

だから、長期投資を考えていても、いろんなケースにぶち当たると思うので、そのときどきで戦術や基本戦略を見直す必要が出てくるかもしれない。
 

 
(2) 成長が見込めるものに賭けろ

資本主義経済が続く限り、株式は有利な投資対象である。

これは株式だから値段が上がるというわけではなくて、経済が成長することによって企業のキャッシュフローやストックが増え、株価がそれに見合った値段に上昇するため。
なので、将来的に成長するところ(成長が見込まれるセクターや地域)に投資しないと株価は上がらない。インデックス投資も同様。
だから、わらしべ長者を目指すものとしては、将来成長が見込まれるセクターや地域の株式への投資は必須といってもよい。

もし資本主義経済が崩壊したら、そのときは何に投資していても同じ運命だし、資本主義経済が続く限りは株式のインデックス投資が最強である、という考えがある。自分もこの考えは否定できないし、8割以上はその通りだと思う。
だけど、例えば戦争などである国が独裁国家になったとしても、他に資本主義国家が残っているかもしれない。もし独裁国家になった国の国民だったら、金などを身に付けて国外脱出したいと思うのが普通だろう。日本人も全体が一つの方向に向きやすいので注意は必要かも。
何十年もの長期投資だったら、これぐらいのことは起こる可能性のあることとして想定できるし、投資を続けられる環境やポートフォリオの検討は必要かもしれない。
 


(3) インデックス病には注意

インデックスはあくまで一つの指標であり、それ以上でも以下でもない。
個人投資家がインデックスにとらわれすぎるのは良くないと思う。

去年の日本株に投資していてTOPIXよりもパフォーマンスが劣っていても、+30%なら十分だと思う。逆に、パフォーマンスがインデックスに勝ったとしても、-20%だったらやっぱり良くないと思う。

このエントリーを書いていて、自分は「平均」という言葉が大嫌いだということがわかった。
あまり大きな意味がある数値だとは思えない。
例えば、世帯平均貯蓄額なんかは代表例だろう。庶民が「うちにはそんなに貯金が無い」とぼやくだけのために存在するもの。
平均などの代表値が母集合の実態をうまく表しているかどうか吟味する必要がある。

これはなんのことかというと、もしかして、インデックスがその対象とする資産の母集合の平均パフォーマンスを表していない可能性は無いのだろうか? たとえインデックスが「一つの平均」を表していたとしても、ここで果たして「その平均」という数値にどれぐらい意味があるのだろうか? などという疑問がいろいろ湧いてくる。
(単に自分の無知からくる疑問かもしれないので、あまりにも変なところがあったらツッコミでもよろしくお願いします。)


あと、上の(1)(2)とも関係するけど、経済が成長している限り株式インデックス投資は長期で見ればプラスサムなので、インデックス投資さえしていれば安泰との思いがあるかもしれないけど、本来、資本主義経済や市場経済というのは厳しいものである。
ライバルを倒していって生き残り、効率化やアドバンテージの獲得などによって収益力が上がるという側面もある。共産主義や社会主義が崩壊したように、みんなが仲良く利益を得られるなんてことはほとんど無い。
よって、じっとバイ&ホールドすれば上がるというのを盲目的に信じるだけでなく、その収益の源泉をちょっと考えてみることもたまには良いのではないかと思う。


 
などなど、投資については考えることが後からどんどん湧いてくるので、いつまでも飽きることがなさそうだ。

とりあえずこのシリーズは終わりです。
 

Copyright (c) 2005-2008 Gabbiano. All Rights Reserved.

trackbacks

trackbackURL:

インデックス投資はマイナーであるほうがよいが、過ぎてもいけない from 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー

過去の記事、 2006/12/21 なぜ、インデックス投資はマイナーなのかを考える (その5) マイナーでいい...

comments

同感です。

特に(3)は強く同意します。

「平均」の話は面白いですね。
ちょっと話はそれるかもしれませんが、インデックス投資でしばしば引合いに出される長期的リターンはあくまでS&P500やTOPIXといった指数のリターンに過ぎないのに、あたかも個別株投資でおおむね同等のリターンをあげられると考えている人が少なくないように思います。

(3)の後半についてはまったく同意見です。
数十年にわたる長期分散投資を行う場合、リバランスを行うことはもちろん、経済情勢の変化に合わせてポートフォリオの配分比率そのものを変更する必要があります。でも、そのことがあまり自覚されていないような・・

  • 空色
  • December 13, 2006 23:21

  • ------------------------------

空色さん、ご贔屓にありがとうございます。

> あたかも個別株投資でおおむね同等のリターンをあげられると考えている人が少なくないように思います。

そうですね。私の勝手な推測ですが、株式投資において、
(1)大きく儲けている人…極少数
(2)そこそこ儲けられている人…少数
(3)トータルで損をしている人…過半数
のような気がしています。良くてもせいぜい(2)と(3)の割合の差が狭まるぐらいかなと思います。

このため、インデックス投資をした場合、もしかしたら、数で上から数えると上位に入っているかもしれませんし、(2)に比べるとパフォーマンスが悪いかもしれません。あるいは逆かもしれません。それを平均と言ってしまっていいのかもわかりません。
実際のところどうなんでしょうか? このあたりの分布とかを解析したものってあるのでしょうかね? 資金の回転なども含めると正確なデータは無いかもしれませんし。


あと、話ずれまくりですけど、インデックスファンドでもインデックスを完全にトレースできませんよね。まあ完全にトレースする意味はないですけどね。
基本的にはちょっと下ブレしますよね。上ブレするものは逆にインデックスファンドとしては怪しさを感じますけど、できればこっちに投資したいのが人情ですね。

  • Gabbiano
  • December 14, 2006 12:16

  • ------------------------------

>空色さん、ご贔屓にありがとうございます。

わらしべ論に強く共感しているもので(^^;)

一般的には、
(1)ベンチマークを上回るパフォーマンス(リターン+)
(2)ベンチマークを下回るパフォーマンス(リターン+)
(3)ベンチマークを下回るパフォーマンス(リターンー)
というイメージではないでしょうか。
もっとも、ベンチマークが(ー)の可能性もあるわけですけど・・

個人的には、投資家の平均リターンとベンチマークの相関はないと思いますし、相関を求めるのも難しいかなあと。その根拠はと問われると説明が難しいんですけど(笑)

  • 空色
  • December 14, 2006 21:46

  • ------------------------------

そうですねー。僕は今資産のほとんどがインデックスファンドの形で運用されていますけど、色々気になることもあります。

戦争が起こって株式市場が閉鎖、なんてのは市場全体の話なのでまあいいとして、インデックスファンドって日本で15~20年、アメリカでさえせいぜい30年くらいの歴史しかないわけですから、本当に長期運用に耐えられるものなのか、まだわからない部分もあるような気がします。

少なくとも日本でインデックスファンドに長期投資をして財を成した人ってほとんどいないでしょうしね。なんせたったの20年ですから。一方コークの株は100年以上取引されていて、それで財を成した人も大勢いるでしょう。

インデックス派が多数になってしまいインデックスが機能しなくなる、というのもそうですし、商売っ気たっぷりのインデックス屋さんがインデックスの組み入れ銘柄入れ替えの頻度を異常に高くしてしまったりとか。最近の浮動株指数化なんてうがった見方をするとインデックスファンドに必要以上に売買をさせるためのものに見えなくもないですし。

インデックスが一体何を意味するのか、というのもよく分かります。
「僕のポートはインデックスに負けた」というのは「インデックスが僕のポートに勝った」と言い換えることも出来るわけですし、何を基準に考えるかによって違ってくる面もあると思います。

などと色々書いてみましたが現存する乗り物の中ではインデックスファンドはそれでもかなり優れた乗り物だと思っています。

  • vanillacoke
  • December 14, 2006 21:49

  • ------------------------------

以下のとおり訂正します。すいません・・

× 相関を求めるのは難しいかなあと。
 
 ↓

○ 平均を求めるのも難しいかなあと。

  • 空色
  • December 14, 2006 22:06

  • ------------------------------

空色さん、バニラコークさん、コメントありがとうございます。

確かに投資家の平均リターンとベンチマークとの関係を求めるのはあまり意味が無いかもしれません。だけど、実際のところどうなのか知りたいという興味は少しあります。

インデックス=市場平均みたいな言われ方をすることが多いのですけど、言葉として妥当でないかもしれませんし、いろいろ考えると、現状ではインデックス投資ってもしかしたら場合によっては平均よりも高パフォーマンスの投資法かもしれないと思ったりもしています。

インデックスも使い方次第なのかなと思います。

  • Gabbiano
  • December 14, 2006 23:35

  • ------------------------------

最近インデックス投資について、どうあるべきなのか、いろいろ考えていたのですが、書いた記事をトラックバックさせていただきました。
お手すきの時にでもご覧いただければ幸いです。

水瀬さん、ブログはいつも拝見していますよ。
議論が盛り上がっているようですね。

基本的には、私がインデックス投資に抱いている思いと水瀬さんのものとは近いようには感じています。

トラックバックがうまく届いていないように思えるので、再度トラバを確認してもらえますでしょうか。

  • Gabbiano
  • December 30, 2006 00:47

  • ------------------------------

再度トラックバックをお送りしました。
…けど、見たところまだ反映されてませんねぇ。(^^;;

ちなみに、トラックバックしたかった記事は、↓でした。
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-376.html

水瀬さん、何度もトラックバックすいません。

なぜか届かないみたいですね。特に設定は変えていないのですが。。。理由がちょっとわかりません。m(__)m
スパムトラックバックは1日に20ぐらいはくるのですけど、この中には紛れていないようです。スパムフィルタはまあまあの精度で利いています。

  • Gabbiano
  • December 30, 2006 09:51

  • ------------------------------

トラバ設定を変えたとの記事を拝見したので、以前トラックバックアした記事でテストしてみました。
どうでしょうか?
(僕からはトラバが付きはしましたが、派手に文字化けしているように見えます…)

水瀬さん、早速のリトライどうもありがとうございます。

トラックバックは無事に受け付けられるようになったみたいですが、文字化けしてしまいましたね。
以前、空色さんからのトラックバックも文字化けしましたし。
トラックバック関連にはいろいろと不具合が隠れているのかもしれません。前のバージョンでは問題がおきなかったのですけどね。
10月頃に現在のバージョンに替えてから、トラックバックはうまくいかないことが多いです。
私はソースコードを読めないので、検証やバグフィックスができず、対応を待つしかありません。

とりあえず、手動で文字化けを直しておきました。

  • Gabbiano
  • January 09, 2007 21:56

  • ------------------------------

comment form
comment form