February 7, 2007

2つのApple

「Apple」という商標に絡む企業には、世界的に有名な2つのアップルがある。

1つは米国のApple Inc.で、最近アップル・コンピュータからアップルに社名変更したところ。以下では米Appleとする。みんなが知っているiPodやMacなどで有名だ。最近はiPhoneで話題をさらった(これも商標でいろいろ揉めそう)。ジョブズがまだ元気みたいで好調を持続している。
現在はこちらが超メジャー。

もう1つは英国のApple Corps Ltd.で、もとはビートルズが設立した会社である。以下では英Appleとする。昔はAppleレーベルなどを管理していたのだが、現在もビートルズが残した遺産を管理しているようだ。たしかビートルズの版権はマイケルジャクソンが持っているはずなので、お金になるのはAppleの商標ぐらいだったのかもしれない。あ、でも昨年ニューアルバム「LOVE」を出したりしたっけ。そのへんの権利関係は不明。

ビートルズというと、AppleレーベルでEMIから出ていて、たしか昔のLPの真ん中のレーベルのところに、A面には緑のリンゴ、B面には半分に切った切り口のリンゴが描かれていたと思う。
生まれて初めて買ったアルバムはたしか小学生のときに姉と共同で買ったLet it beのLPだったと思うので、それなりに思い出はある。あのとき、最初にAbbey Roadを買っていたら、人生が変わっていたかもしれないなあと思ってもみたり。


話を本論に戻すと、
この「Apple」の商標権については、何年も米Appleと英Appleの間で訴訟などで争われていたのだけど、昨日のニュースによると、両社の間で和解が成立して合意に至ったみたい。

詳細は発表されていないが、(1)米Appleが「Apple」のすべての商標権を所有し、商標権の一部を英Appleにライセンス供与すること、(2)米Appleが引き続き商標とリンゴのロゴマークを「iTunes」で使用すること、になったようだ。
つまり、相応のお金を出して米Appleが商標権を買い取り、英Appleにライセンス供与する形に落ち着いたようである。

米Appleとしては、中途半端な状態で今後もゴチャゴチャ言われるのはイヤだろうし、英Appleとしても、未来の展望はあまりなさそうなので、このへんで話を収めた方がいいと思ったのだろう。賢明な選択だと思う。

 
両社は、1991年に「Apple」の使用について合意を結んでいる。このときも米Appleは英Appleに使用料的なお金を払っている。$27millionだから2千7百万ドル。
当時の合意では、英Appleは音楽事業やビートルズ関連のアーティスト、商品などで「Apple」を使用でき、米Appleはコンピュータやデータ処理、通信事業などで「Apple」を使用できるとなっていた。つまり、当時は商売の領域で住み分けができていた。
リンゴマークについても、米Appleは緑のリンゴや半分のリンゴを除くリンゴマークの使用権を持ち、英Appleはレインボーカラーやマルチカラーの縞模様のリンゴを除くリンゴマークの使用権を持つようになっていた。

ところが、2001年に米AppleがiPodの発売とともにiTunesという音楽配信事業に参入してから話がややこしくなってきた。


普通の感覚なら、英Appleからみると、iTunesは音楽事業だから「Apple」の商標やリンゴのロゴマークの使用は許されない、となる。そして2003年に提訴にふみきる。

この件は、2006年5月に英国の高等法院で判決が出ている。結果は、商標権侵害にはあたらないとして英Apple側の敗け。
理由は、「iTunesは音楽コンテンツの『データ伝送』であり、1991年の協定では米Appleに対して通信領域における商標の使用を認めている」からというもの。

う~ん、このへんにちょっと法律の限界が感じられる。
iTunesではデータを配信しているだけで、媒体に記録した音楽ソースを売っているわけではないから、ということみたい。つまり、リアルなものに置き換えると、iTunesはCD屋さんではなく、CDを配送する運送屋さんに近いものという解釈になるのかな。(かなり大雑把ですいません)
1991年当時にはあまり想像できなかったサービスだったわけだけど、実体としては音楽を切り売りしているのと同じなので、CD屋さんに近いと思うけど。。。

これに対し、英Appleは上訴する意向だったので、実際に上訴したんだとは思うけど、その後に上に書いたみたいに和解が成立。まあ裁判では勝ち目が薄かったのかもしれない。これでApple問題については一件落着かな。
米AppleがApple Computer Inc.からApple Inc.に社名を変更したのも、この問題の解決を暗示していたという説もある。


まあ、落し所としてはベストだと思うので、特に文句は無い。
米Appleが今回いくら払ったのかは、いずれ開示があると思うけど、今のApple Inc.の勢いだったら負担はあまり大きく無いんでしょう。たぶん。

なんか最近はAAPLウォッチャーみたいだけど、たまたま話題が多いだけ。ナスダック絡みでいちおう監視リストに入っているので、目についてしまうというのもあるかも。
 

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--- ■アップル社の基本情報 ・設立年:1977年(昭和52年) ・本社所在地:アメリカ 設立者は3人の青年  ●スティーブ・ジョブズ...

comments

実は僕も最初に買った(というか買ってもらった)LPレコードは「レット・イット・ビー」です。

今回の和解を受けてそろそろiTunesでもビートルズが発売されるんでしょうね。

  • vanillacoke
  • February 08, 2007 23:17

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vanillacokeさん、コメントありがとうございます。

> 今回の和解を受けてそろそろiTunesでもビートルズが発売されるんでしょうね。

そうですね、この説が有力みたいですね。
私はiPodを持っていないので、このへんの話題にあまりついていけていないです。(^^;

iPodはウォークマンの域に達しつつありますよね。
そうすると、アップルって、iPhoneなどがバカ売れしたりすると、もしかしたら、マイクロソフトの怨念を振り払って世界制覇の野望を成し遂げることができたりする可能性もちょっとありそうです。もう少し時間が経つと携帯とPCの差が無くなってきますので。
でも、ソニーと一緒で独自路線を突っ走る傾向にあるので、脇が甘いところが弱点ですかね。

  • Gabbiano
  • February 10, 2007 21:40

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ボクが初めて買ったシングルは「小さな恋のメロディ」でした。なにせトレーシーハイドが可愛くて可愛くて(^^;  で、その昔、間違えてトレーシーローズ(ポルノスターです)が好きだったって言ってえらく恥かいたことがありました。iPodはボクも持ってないんですが、リビング用に AirMac Express が今気になってしょうがないです。

  • オサーン
  • February 11, 2007 23:36

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オサーンさん、こんにちは。

AirMac Expressはたしかに面白そうですね。
アップル製品は全くのノーマークでした。
年始に無線LANルータを新調したのですが、こういう選択もあったのですね。
今のところ、1台のノートPCしか接続できる機器が無いので、我が家ではまだ先の話かもしれませんけど。

  • Gabbiano
  • February 12, 2007 21:32

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