February 19, 2007

セゾン投信のファンド

先週末に第1弾ファンドの発表があったセゾン投信のファンドについて。

自分もかなり好意的にとらえている。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、今までありそうで無かったタイプだと思う。
一部にはこれでもコストが高いという意見もあるようだけど、実際に似たような運用をやろうと思っても、同等の手間コストではかなり難しい(ほぼ無理)だと思う。現時点ではこれ以上のものを望むのは贅沢な注文だろう。


投資においては、消費者の視点も重要だけど、マネージメントする側の視点はもっと重要だと思う。
利益の源泉をいろいろ考えたり理解したりするときには、この視点から見ないとわからないことがある。
特に、市場の末席にでも参加して平均以上のリターンを得たいと思うのなら、肉を切らせて骨を断つような考えも時には必要になる。
ファンドを買っているだけだとしても、市場のプレーヤーの一人であることは確かなこと。


資料を請求して詳細を確認しないと、まだ細かいことはよくわからないけど、セゾンのバンガードファンドは子供名義や奥さん名義の積み立て投資にいいかもしれないなあと思っている。

現在はこの部分はさわかみファンドでやっているのだけど、先々のことに関してなにかと不安要素もあったりするし、やはり海外の投資対象もカバーしたいという思いもあって、ここ1,2ヶ月はトヨタアセット・バンガード海外株式ファンドなど、他のファンドを検討していたところであった。

子供用の積み立て投資は、今でもそれなりに幅を利かせている学資保険や定期預金に対して、18年の期間で楽勝で勝てる運用という、低い目標設定から始めている。基本的には、あまり動かさずにほったらかしにしたいところ。保険や預金との比較だから、手間は最低限にしたい。
現在は運用開始から2年半ちょっとで、今のところはほぼ満足できる経過である。
出口まではまだ15年ぐらいある。このため、パフォーマンスの変動はある程度許容できるのだけど、資金の目的上、あまり大きなドローダウンは避けたいところ。出だしが好調だったので、現状では気分的にはかなり楽ではあるけど。。。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、海外資産の割合が高いとか、債券の割合が高いとかの意見もあるけど、自分の考えではこれでいいと思っている。

 
参考までに投資対象資産の割合を書いてみると、以下のような感じになっていて、全てインデックス投資である。
株式はMSCIインデックスやS&P500インデックスをトレースするもの。債券はどれもガバメントボンドインデックスということなので、国債インデックスをトレースするもののようである。
  日本株式 …約6%
  米国株式…約24%
  欧州株式…約16%
  新興国株式…約4%
  日本債券 …約9%
  米国債券…約20%
  欧州債券…約21%


まず、株式の割合だけど、世界的に見た地域別の株式の時価総額の割合に近い感じのようである。債券の割合はGDPの割合に近いみたい。GDPは大雑把にみると米国30%、欧州30%弱、日本15%くらいなので、他の新興国を除くとほぼ近い値である。
つまり、世界中の株式や債券をパッシブで運用すると、このような割合が妥当だということになる。

さわかみファンドは長期で任せられる日本で唯一のファンドかなと思っていたけど、今のところ日本株式オンリーなところが自分の考えとは合わないところだった。また、新体制については外野から見た不安はあるようだし、今後の運用に関しては未知数の部分がある。このため、自分の場合は、今後はセゾンのバンガードファンドをメインにした方が良さそうな気がする。


海外資産の割合が多く、為替リスクが高いのでは? という意見については、海外株式についてはほとんどホームカントリーバイアスの影響といってもいいと思う。海外債券の部分については確かに一理あるかもしれないけど。
パッシブ運用を目指せば上記の割合が妥当だと思うし、株式に関しては、今の国際化の時代では、日本株式でも海外株式でも為替リスクはある程度相殺されると思っている。
債券については、どの通貨が将来強くなるのかを予測するのは不可能なので、分散してリスク回避するという考えが最善策としていいように思う。

内需専門の企業でない限り、ほとんどの企業は海外事業をやっている。
例えばトヨタ株を持っていたとして、円高になれば海外事業の利益は見かけ上では減少するし、円安では逆になる。ちなみに、内需専門の企業だって間接的には為替の影響を受ける。
企業の場合は、為替予約などをしてある程度為替リスクはヘッジしている。国際会計については詳しくないけど、日本籍企業の円建てで換算した決算は、ある時点での見かけ上の収支を示しているだけなのではないかと思う。
この考えでは、外国籍企業の場合はベースの通貨が違うだけで、実態としてはあまり大差ない。
あと、ときどき当局と揉めたりするけど、利益を海外に移転して節税したりすることもあるので、実際には企業のお金は世界中を駆け回っているわけである。

つまり、日本で生活しているからといって、日本の企業の株を円建てで投資しても、為替の影響は直接的&間接的に受けているから、外国企業の株を外貨建てで投資するのと、通貨の面だけでみると実態はそんなに大きく変わらない。どちらの企業が良いのかは定性的な話になる。今となっては、外国企業の製品やサービスが無いと生活に困ることもあるかもしれないし。
いろんなバイアスを取り除けば、このファンドのように世界丸ごと投資するというスタイルが一つの最善策のように思える。パッシブ運用の一つの解がセゾンのバンガードファンドだと思う。


株式と債券の割合が50:50であることについては、幅広い投資家を視野に入れると妥当だと思う。
もっとアグレッシブに株式と債券が70:30ぐらいがいいという意見もある。個人的には部分的に賛成だけど、子供用資金として長期で放っておくには反対。今までのさわかみファンドへの投資も、ある程度は経済サイクルを考慮してのもので、もともとこれ1本でずっと放置しておくつもりは全く無い。

過去10年~15年の日本株インデックスの状況を実体験で経験した人からみると、株式が70%なんてリスクを取り過ぎだと思えるのではないだろうか。
何年後と出口は決まっているので、半分ぐらいは債券で運用するというのはセオリーとしては正しい。
で、ファンド運用側からすると、個々の投資家の出口のタイミングなんて知ったこっちゃないから、大きくドローダウンしない方が良いに決まっている。


あとは、親からは特別に薦める気はないけど、本人が留学したいとか言い出すリスク(笑)も考えておきたいので、円ベースだけでなく、米ドルや英ポンド、ユーロなどの主要外貨ベースでも、それなりのパフォーマンスが得られる結果を目指している。
 

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comments

今回のエントリ、とても参考になりました。

我家ではもうすぐ子供が生まれる予定です。今から我が子の成人(場合によってはそれ以上)までの期間でインデックス投資による資産運用を考えています。

漠然と、どこかの証券会社で未成年口座を開いてETFやインデックスファンドを自分で組み合わせて保守的な運用を行おうと考えていたのですが、手間と投資期間を考えると、現時点ではセゾン投信一本で積み立て&放置が一番楽で確実な運用方法になりそうですね。

  • Ito
  • February 19, 2007 13:09

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マネージメント側の視点、肉を切らせて骨を絶つ、まさに私がいいたかったことです。自分のニーズにあった商品を選ぶこと。いずれにせよそのような選択肢が増えることは大歓迎です。

  • tst
  • February 19, 2007 14:27

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Itoさん、コメントありがとうございます。

こういう目的ではこれ1本でほったらかしでもいいかもしれないと思っています。
私の場合、今までのさわかみファンドの分もそのまま放置しておいて様子をみます。

株式と債券の割合の最適解があれば、その割合でもいいとは思うのですけど、同じ人でもライフステージによって変化したりするので、多くの人にベターなものとして、単純に50:50でも悪くないと思います。運用にも余計なコストがかかりませんし。
実際、マネックスの資産設計ファンドの割合とそんなに大幅に変わらないようにも思えます。

あと、多くの人がインデックスファンドの運用は誰にでもできる簡単なものとの認識があると思いますが、個人的には、トレースの誤差を最小にするのにはノウハウが必要で意外と難しいのではないかと思っています。その点でも、バンガードは低コストのインデックス運用の歴史も実績もあるので、安心度は高めです。

  • Gabbiano
  • February 19, 2007 15:18

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tstさん、コメントありがとうございます。

> 肉を切らせて骨を絶つ

私もいつか書こうと思ってあたためていた言葉の一つです。(^^)

> いずれにせよそのような選択肢が増えることは大歓迎です。

そうですね、まだわずかですけど、ようやく良い方向に進みつつあるように思います。

  • Gabbiano
  • February 19, 2007 15:21

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TBありがとうございました。
次にどんなファンドが用意されるのかまだ分かりませんが、既存の業界に対して極めて挑戦的なセゾン投信のActionには期待せずにいられません。資産運用業界全体から見ればごくごく局地的な現象かもしれませんが、大きなパラダイムシフトを惹起するActionとなることを期待しています。
GabbianoさんもPositiveに応援されるとお聞きして正直安堵いたしました。

  • renny
  • February 20, 2007 00:41

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rennyさん、コメントありがとうございます。

セゾンとは利害関係は全くありませんが(クレディセゾン株はたまにチェックしています(^^))、最初の1本目のファンドがこういう形で出てきて、信念みたいなものを感じました。今のところベストの選択だったように思えます。
セゾンカードとの付き合いは長くて、昔はここの傷害保険に入っていたことがあります。


EDINETを見ると、日本株式と日本債券のファンドは07年3月6日設定予定との記載ですから、円建てのクラスを新たに立ち上げるのでしょうかね。

ファンドの方針として、「株式と債券の基本資産配分比率は、原則として株式50%、債券50%とします」、「世界の株式市場及び債券市場の動きを捉えることを基本とし、各々の市場の地域別投資比率については、各地域の市場時価総額を勘案して適宜見直しを行います」と書かれています。
発表された各ファンドの割合はあくまで当初の割合みたいです。

信託報酬は、総額が年0.4935%(税込)で固定されていて、純資産総額800億円以下と800億円超とで委託会社及び販売会社(セゾン投信)と受託会社(日興シティ信託銀行)との取り分が変わるのですね。800億円を超えると、セゾンの取り分が少し高くなり(0.2709%+0.1806%→0.2772%+0.1848%)、日興シティの取り分が少し下がります(0.0420%→0.0315%)(全て税込)。といっても、税抜で0.01%の増減ですけど。
これにバンガードの手数料(ファンド財産維持手数料率と運用管理費率)が加わって合計で年0.78%(税込)程度とのことです。

とりあえず、800億円が採算ベースの第1目標でしょうか。税抜で年間0.43%ですから、ファンド資産総額800億では、セゾン投信の信託報酬収入は3.44億円ですね。これを少し超えると0.44%で3.52億円強になります。
ちなみに、ファンドの償還条件には「受益権の口数が10億口を下回ることとなった場合」とあるので、資産総額が10億円を切ると償還の可能性大です。まあ、今の感じではそういうような事態は想定しづらいですけど。
うーむ、地道な商売ですね。セゾンカードとタイアップしないと、単独では商売が成り立つのかどうかは不明です。

  • Gabbiano
  • February 20, 2007 09:59

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さわかみ投信、ありがとう投信、セゾン投信などにもっと注目が集まれば、既存の運用会社が”販売会社<投資家”になっていくと思うのですが。

お世話になっております。
アクティブ運用専門(と私が思っている)のGabbianoさんが
このファンドに興味をもたれるとは思いもよりませんでした。

某所ではやや否定的なことを書きましたが、他の日本のファンドに比べればbestであろうと思います。当初から日本債券が組み入れられるのは大いに不満ですが、今後金利が上昇することを期待したいものです。

気になるのは期待リターンです。債券部分で2%、株式部分で
6%、合計で3~4%あればいいのですが。リスク(σ)がどれだけ
になるかが気になるところです。タロットさんのシートで計算できるかな。

地味で恐らく10年くらいは保有しないと駄目だろうと思いますが、
日本の投資家が我慢できるか注目しています。特に、今後数年間の間に価格が上昇し過ぎたときに、解約が増えなければいいのですが。

>肉を切らせて骨を絶つ
私には、この意味が分かりません(笑)。

  • stella
  • February 21, 2007 01:57

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イニシアティブさん

そうですね。ローコストファンドが市民権を得られれば、投信を取り巻く環境も改善されていくように思います。
セゾン投信は、セゾンカード会員に宣伝できるので、広く伝わる可能性は高めです。

  • Gabbiano
  • February 21, 2007 08:11

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stellaさん、こんにちは。

パッシブ運用ならそれを突き詰めて徹しきった方がスッキリしていいと思いましたので、セゾンファンドは支持しました。

日本債券は、全てのバイアスを取り除くと、組み入れた方が正解だと思います。
10年ぐらいの期間なら、近々利上げがあってもまた利下げの時期がやってきます。それまで安いところでナンピンしていれば、その後の利下げによって債券のパフォーマンスはかなり良くなります。
それで、その利上げや利下げのタイミングやカーブは、誰にも正しく予想できません。
利下げのタイミングを計って債券を仕込むのはアクティブファンドがやることです。

あと、利上げは株価にとっても一般にはマイナス要因です。利上げで債券が下落して、株式が安泰でいると考えるのは、ちょっと能天気に思えます。だから、日本債券を落とすのなら、日本株式も減らした方がいいです。
債券と株式の相関は低いように言われますが、それはタイムラグがあるから結果的にそうなっているのであって、因果関係は深いと思いますし、逆相関だと考えるのはちょっと危険だと思っています。

例えば、日本債券をやめて日本株式を多くすると、株式の割合が多くなるし、株式では日本株のウエイトが高くなってしまいます。あるいは、日本債券をやめて外国債券だけにすると、ほとんど海外資産ファンドになってしまいます。
円ベースでのある程度安定的なリターンを考慮すると、日本債券は外せません。
そこの部分は、一般には日本円の預金や将来の収入でなんとなくヘッジされちゃっている感じなのだと思いますが、ファンドのポートフォリオとしては間違っていないと思います。
逆に考えて、預金や収入が米ドル建てだった場合に、日本円ベースでのリターンを目指していて、債券部分が全部米国債券や欧州債券だったらどう思いますか?
単独で日本債券ファンドを持っているのは苦痛でしょうけど、バランスファンドなら持っていられます。それがポートフォリオの効果だと思います。

シャープレシオなどは、NightWalkerさんのブログで試算されていますね。
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/02/315_85e4.html

個人的には、この手の数値は参考程度であまり気にしていません。(^^;
リターンやボラティリティは結果論でしかわからないと思いますので。
結局のところ、最終的な判断は、儲かりそうかどうかの感覚的なものです。(笑)

「肉を切らせて骨を断つ」は、例えば取引において、相手の要望をある程度受け入れつつも、最終的にはこちらが大きな利益を得るようなことです。
目先の損失やコストにとらわれすぎて、リターンが得られないのでは意味がないというようなことでしょうか。

  • Gabbiano
  • February 21, 2007 08:19

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