July 6, 2007

いまどきのスワップ狙い

エルさんのブログに「FXを外貨預金代わりに使うこと」についてコメントしていて、思いのほか長文になってしまったので、自分のブログで補足してまとめておこうかと思う。

これは、FXでレバレッジをかけないで外貨ロングのポジションを持ち、スワップを受け取る方法で、低コストの外貨預金の代わりとして各所で紹介されているもの。
ここでは、通貨分散のために中長期で持つ外貨のポジション(債券&キャッシュ)のことを前提にしている。


本質論で考えると、FXはあくまで外国為替「取引」であって、仕組み上は長期投資の対象とはちょっと違うものではないかと思っている。正攻法とはいえないだろう。
「低レバレッジで低コストの外貨預金代わり」というのは巷で良くみかけるけど、たまたま現在が外貨預金代わりに使える条件がまだ揃っているということだと思う。つまり、投資のツールとしては使えるのだけど、それはあくまでもそのときの条件や使い方次第ではないかということ。これは内藤氏なども同じことを言っているのだと思うけど、本を読んでいないのでわからない。。


個人的には、日本円のヘッジや通貨分散を考えるなら、外国債(長期の仕込み)やMMFなどのマネーファンド/カレンシーファンド(短期の流動性確保)などが正攻法かなと思う。
それ以上の超過利益を得るためのトレードは否定しないけど。。。 逆にうまく使えるんなら積極的に利用する手はアリだと思う。


あと、FXは低コストの両替手段としては使えるけど、トータルの手間やコストを考えると、使える条件はある程度限られそうなので、万能ではない。

 
スワップを利回りとして考えると、日本円の金利(ここでは主に短期金利、以下同様)はこれ以上下がることはほとんど無いしもしゼロになっても変化量はほんのわずか、近い将来に上がることはほぼ必至なので、スワップが減少して利回りが下がるリスクが高い。
これに対し、外貨預金やMMFの利回りは、日本円の金利動向とは直接は関係ない。

FXはこのように利回り減少のリスクを内包していることになる。そのリスクを上回るコスト削減が可能なら、利用価値はあると思うけど。
外貨預金代わりとしては、たまたま日本円のゼロ金利が何年か継続したから利用できたことだ。しかもこれは過去の実績であって、将来は利上げが確実であるのなら、長期で利用することは難しいと考えるのが普通な気がする。


ここでは、為替レートの変動は考えないで、
例えば、米ドルロングでいった場合に、米ドルの金利が5%ぐらいで継続したとして、日本円の金利がもし5%になったら、スワップはほぼゼロ。日本円の金利の方が高くなったらスワップはマイナスになる。
外貨預金やMMFなら4~4.5%ぐらいは利回りがあると思う。
このような状況になることはあり得ないと思うかもしれないけど、今の状況が永年続くことの方がもっとあり得ないことだと思う。

これは極端な例だけど、日本円の金利が1.5~2%ぐらいになって、金利スプレッドが減少したら、FXの方が条件が悪くなる状況も考えられる。
そういう状況になるまでFXのポジションを持っておいた方がいいじゃん、という考えもあるけど、それはあくまで上に書いた(わずかな)超過利益を得るための「トレード」に属するものだと思う。長期のポジションとは発想が異なるから。


FXで中長期といってもせいぜい1年ぐらい先がいいところだろう。5年、10年先を見越してポジションを持つことは不可能だと思う。
為替レートはもちろんだけど、スワップの状況も数年後にどうなっているかなんて予測不可能だ。
MMFなどならその通貨ベースで金利相当のリターンはノーリスクで確実に得られる。


さらに細かい話をすると、
FXのスワップは日本の業者の場合は日本円で受け取るから、外貨のポジションとして外貨ベースで考えると、スワップ分は逆の為替リスクが発生することになる。
外貨ロングポジションでめでたく円安になった場合、受け取った日本円のスワップはどんどん価値が目減りしていくことになる。
まあ大した額ではないけど、低コストを謳う場合のイメージとしては微妙。

また、スワップ分は複利運用が難しい。再投資して複利効果を得るには、かなり大きなポジションを持つ必要がある。
野村BSTなどなら分配金が出ないので、そのまま放置しておくだけで外貨ベースでずっと複利運用されていく。


あと、思うのは、FXをレバレッジ無しで外貨預金代わりに使うのは、守りなのか攻めなのか中途半端な立場のような気がする。

守りだったら、外貨ベースでリスクフリーでリターンを得るのがセオリーだろう。
攻めだったら、もう少しリスクをとって、例えばレバレッジ3倍ぐらいで多少の為替変動には耐えられるようにして、積極的にスワップを取りにいった方がよさげに思える。
キャッシュに近いポジションで中途半端にリスクをとるよりも、その分のリスクを別のところに回した方がリターンを効率よく得られるんじゃないだろうか。


ただし、月単位とか短期、中期で機動的に各通貨量のポジション調整をするような場合は、FXにはコスト面で敵わない。
 

Copyright (c) 2005-2008 Gabbiano. All Rights Reserved.

trackbacks

trackbackURL:

comments

Gabbianoさん

エルです。
「FXを外貨預金代わりに使うこと」は、Gabbianoさんのおっしゃるとおり、日本の金利上昇局面においては、あまり有利な方法とはいえないですね。

本当に参考になりました。 ありがとうございます。

  • エル
  • July 07, 2007 10:06

  • ------------------------------

エルさん、コメントありがとうございます。

FXは使いようによっては強力なツールになると思います。
ただし、状況やその使い方をよく考える必要がありそうですね。

  • Gabbiano
  • July 07, 2007 18:27

  • ------------------------------

確かに、そうですね。
私は、パッシブな株式投資がメインで、
今まで、FXをやったことがないので
勉強になりました。

  • ひろん
  • July 07, 2007 20:45

  • ------------------------------

ひろんさん、コメントありがとうございます。

私もFXはほとんど使っていません。
バロンズ拾い読みを読むために口座を持っているだけです。(^^;

FXは、うまく使いこなすには、やはり中上級者向けの気がします。

  • Gabbiano
  • July 08, 2007 22:12

  • ------------------------------

comment form
comment form