September 28, 2007
周産期医療(その2)
やっぱり。。。
今日のニュースで、東京の荒川区の妊婦が切迫早産になってNICUがある病院に搬送しようとして、都内の病院十数カ所で受け入れを断られ、3時間以上かけて搬送先を探した末に、川崎市の病院に搬送されたけど、5日後に死産したというニュースがあった。
今頃になって昨年11月のことがニュースに出るのはなんだかなあという気もするが。。
今回のケースで重要なのは、救急隊が搬送先を探して断られてたらい回しになったのではなく、かかりつけの産婦人科医院の医師が探したけど、都内で受け入れ先が無かったということ。ようやく、親しい医師がいる川崎市の病院に受け入れてもらえたのだ。
そこから運んだとして、荒川区から川崎の武蔵小杉なら、高速がずっと空いていても1時間弱はかかりそうな気がする。
医師自身が受け入れ先に打診をするのだから、条件としては良い方のはずだけど、それでも見つからなかったということで、状況としてはかなり悪い。
今回の場合、妊婦が妊娠22週目という、すごく微妙な時期。
素人の知識&意見でとても恐縮だが、最近はかなりこのへんのことに詳しくなったので、ちょっと書かせてもらうことにする。
直ちに受け入れ先が見つかって搬送されていたとしても、切迫早産を抑えられて新生児が助かったかどうかはわからない。たぶん可能性は低かったのだろう。
母体側の問題だったのか、胎児側の問題だったのかわからない。その前の流産というのは、結構多い確率で起こることだから、それと同じようなものとして考えるしかないのかな。
現在の医療では、22週目というのは胎児が母体の外に出た場合に生きていけるギリギリのライン。
22週目以降で正産期(37~41週目)前に生まれた場合は早産という。22週目未満の場合は、生存率はほぼゼロで流産となる。ただし、22週目での早産というのは生存率はかなり低いと思われる。助かっても障害が残る確率が高いらしい。NICUがあっても難しいのだと思う。あとは当人の生きる力が強いかどうかだ。
切迫早産の急患はNICUがある病院でないと受け入れられない。
でも、22週目では、切迫早産を抑えることが第1の目標だろう。もし出てきてしまったらアウトの確率がかなり高い。
とはいっても、やむなく出すことになって死産となり、そのときにNICUの空きがありませんでしたということは、医療者としては絶対にできないと思う。だから、NICUの受け入れが万全な状態でないと、病院側としては受け入れられないのだと思う。
ここで、満床とはどういう状態かを考えてみよう。(自分がボードで腕を粉砕骨折した時も、受け入れたはずなのに1時間ぐらい待たされてレントゲン検査をした後に満床ということで他へ転送されてしまった経験がある)
患者を収容するベッド、対応する医師などのスタッフ、どちらかにでも余裕がないときは満床となる。
ただし、院内の状況は刻々と変化するし、患者の容態によって対応できるかどうかは微妙な場合もあるだろうし、かなりアナログ的な判断になると思う。
外部からの受け入れができないギリギリの状況で自分のところの病院の患者が22週目で切迫早産になったらどうするか。
患者の容態にもよると思うけど、たぶん他へ搬送するようなことはせずに対応することが多いのではないだろうか。(素人の勝手な想像なので間違ってたらご容赦を)
NICUが物理的に全然空いていなかったら難しいかもしれないけど、そもそもNICUを使う状況になったらアウトになる確率が高い。
一般の仕事で、新たに急な仕事を受ける場合を考えても、現在の仕事の状況と、新たに受ける仕事の内容や量によって総合的に判断し、受けるかどうかを決めると思う。
その判断には幅があって、依頼先との関係、さらにはタイミングや気分、依頼のされ方などで判断結果が変わってくる。
このようなことも考えて、自分達の場合はリスクを考慮すると他へ搬送にならないような病院を選択して、自分達ができることはやって、あとはどうなるか状況を受け入れるのみ。
まあ、今のところは幸い順調で大事になるようなことはなさそうなので、杞憂に終わるのかもしれないけどね。丈夫なことが取り柄であるし。
- by Gabbiano
- at September 28, 2007 21:37
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